皆様こんにちは!アニオタです。本日は、2009年にアカデミー賞 短編アニメ賞を受賞した、加藤久仁生監督作品「つみきのいえ」のレビューをいたします!
ネタバレもあります!最後までぜひ読んでいってください!
「つみきのいえ」のあらすじ
海面が上昇したことで水没しつつある街に一人残り、まるで「積木」を積んだかのような家に暮らしている老人がいた。彼は海面が上昇するたびに、上へ上へと家を建て増しすることで難をしのぎつつも穏やかに暮らしていた。ある日、彼はお気に入りのパイプを海中へと落としてしまう。パイプを拾うために彼はダイビングスーツを着込んで海の中へと潜っていくが、その内に彼はかつて共に暮らしていた家族との思い出を回想していく。
Wikipediaより引用
映像について
一貫して絵本のような、ほんわかしたパステルで描いたような柔らかい画面でストーリーが進行します。ゆったりとした空気感が、穏やかな音楽・絵作りでも表現されています。
私アニオタは一般的な民放テレビ局で放送しているようなアニメももちろん好きですが、NHKのみんなのうたで流れているようなアニメーションも大好きで、加藤久仁生はみんなのうたのアニメーションも手掛けていますので、つみきのいえも大変楽しく見ることができました(余談ですが、みんなのうたって時々映像怖かったりしますよね)。
「つみきのいえ」の感想(ネタバレあり)
思い出の在り方
「つみきのいえ」は、主人公のおじいさんが、水中にパイプを落としてしまい、回収するために水中にもぐることで、なくなってしまったおばあさんや子どもたちとの昔の思い出を振り返っていきます。
人の頭の中にある思い出は、時間とともに薄れていってしまうと思います。私も、幼少のころの話を家族に話されてもあまりピンとこないことも多いです。パイプを拾いに行くまでのおじいさんは、昔のことはあんまり思い出したりしなかったんじゃないかなという気がします。
ですが、つみきのように積み上げられた家(部屋)にはそのときそのときの思い出がいっぱい残っていて、空間と、そこに残された家具や食器を見ておじいさんは、娘の成長、夫婦の歩みを思い出していきます。物自体が何かを記憶することはないですが(記録媒体を除いて)、外から見ると物には思い出がしっかりの乗っていて、捨てない限り、物が増える限りそれは水という時間でも薄めることのできない、個人の中でどんどん積み重なっていくものなんだなと感じました。
思い出と乾杯
水中深くにもぐれば潜るほど昔の記憶をたどることになるのですが、底にたどり着いて、おばあさんとの思い出に浸りながら一人で乾杯してるシーンは切なさでいっぱいになってしまいました・・・。ここにおばあさんもいたらなぁ・・・(水中なので大変しんどい環境ではあるのですが)。
思い出の大樹も、今では水の底・・・と思うとさらに切なくなります・・・。プロポーズをOKしてもらった時の若かりし頃のおじいさんは本当に幸せそうで、いつもの仏頂面のおじいさんを考えると、これはギャップがあって大変かわいいと思いました。
一番好きなキャラクターは「おじいさん」
そもそも思い出の中以外はショップの店員さん(?)とおじいさんくらいしかいないので、必然的におじいさんが好きになってしまいますが、もし他にキャラクターがいたとしてもおじいさんが好きになっていたと思います。
パイプを水中に落としてしまってからのコミカルの動きもとてもかわいかったですし、表情はほとんど変わらないのに動作で感情がわかるのも、アニメーションとしてとても秀逸でした。(パイプはわざわざ潜って取りに行くほどのものなのか・・・?と思っちゃいましたが、それもまたかわいい)
堅物そうなのに、おばあさんとの思い出を懐かしんでしんみりしているところは、つられてこちらも泣いてしまう・・・。
こんな人におすすめ
- 穏やかな時間を過ごすお供に。家族にもおすすめ。
- 絵本のようなタッチなので見やすいので、アニメを見ない方にもおすすめです。
- 賞を取った作品なので、気になる方はぜひ。見て損は絶対にない!
- 短い時間でホロっとしたい方に。
とてもゆったりとした作品なので、時間は短いですが、ぜひ落ち着いた、のんびりとした時間の時に見ることをお勧めいたします。
最後には一緒におじいさんと乾杯したいですね!
さいごに
ご一読いただきありがとうございました!
今後も様々な作品のレビューをしてまいりますので、次回もよろしくお願いいたします!
今回紹介した「つみきのいえ」は、以下から視聴可能ですので、ぜひ皆様も一度ご覧ください!
余談ですが今現在はU-NEXTではみんなのうたも見ることができるみたいなのでそちらもぜひ(笑)